会う度に綺麗になっていった葉月さんとは、週に1度のペースで会った。
かつてのおしゃれさを取り戻し、本当に美しくなった。
彼女の美しさを言葉に出して称える度に、
「若い男のエキスを吸い取っているからだよ」と、彼女は言ったが、
そんな根拠のないまやかしに、俺は頷けるはずもなく、
「そんなのありえないって」と笑うと、
「ホントなんだよ」と後ろから抱きついた。
俺は葉月さんと会う度に、高校に昼から出たり早退したりを繰り返していたが、
お金の無い二人には毎回のホテル代もままならなかった。
二人の関係は三ヶ月間続き、俺が高校3年になったのを期に別れた。
それは最初から二人で決めていたことだったが、
「どちらかが飽きるまで期間を延ばさない?」と言った俺に、
彼女は「約束だよ」と首を横に振り、
「涼汰は彼女を作りなさい」と見つめながら言った。
行為の時に、早く果ててしまう事が悩みの俺だったが、
彼女との関わりの中で、悩みは解消された。
少しでも持続できるように、彼女が色んなアドバイスをしてくれ、
二人、汗ばんだ身体を摺り合わせながら、試行錯誤を繰り返した。
俺が持参したプリントを見せながら「48のスタイル全てをやってみたい」と言うと、
「マジで?」と笑うと、少し考え「興味あるかも」とプリントに目をやった。
行為の最中に感じもせず「スポーツだね」と言った彼女の顔は汗だくだった。
彼女自身のポイント探しにも励んだ。
浅めの挿入で上部を小刻みに突いてみたり、
一度のストロークを、抜けるか抜けないかぐらいの所から思いっきり奥まで突く
振り幅の大きい挿入を試みたりもしたが、彼女が一番感じてくれたのは、
腰を持って少し浮かせて両脚を抱え、奥の上部を力強く突く体位だった。
それをしてあげると彼女はいつも自分の指を咥え、可愛らしく悶えた。
やがて全身に力が入り、蜜壷の締り具合もピークに達すると、
腰がさらに浮き、抱えた両脚がピーンと伸び、つま先には力が溜まり、
指が丸まったまま、全身が痙攣のような震え方をした。
可愛らしかった。
フィニッシュはいつも、夫とは一度もやった事の無いその体位だった。
俺はメンタル面が優先して行為に励む男。
自分だけの世界に入り込めば、始まってわずか1分でいける。
が、相手の事を考え、相手が満足を得られるまでもたせようと念じれば、
いつまででも持続できるようになった。
彼女のおかげだ。
とても感謝している。