決して裕福な生活をおくって来たわけじゃない。
子供達に恥ずかしい思いをさせぬよう、
夫婦共働きで乗り切ってきた。
子供から手が離れてここ数年、
気がつけば僅かながらではあるが貯蓄もできた。
夫は五十を超え管理職になったとたん、夜のつきあいが多くなり、
名刺入れには飲み屋の名刺が束となっている。
夫を疑うわけではない。
与えられた小遣いの範囲でなら風俗店を利用しても、
今さら怒りはおきず、逆にリフレッシュできるのならと、見て見ぬふりをする。
彼だって男なのだ。
今まで耐えて我慢して来た分、はめをはずさなければそれで良い。
私だって、まだまだ女。日常の何気ないシーンに局部を湿らせてしまう。
買い物中に見かけた男性を目で追い、
ネットで明かされる他人の秘め事を読んでは疼く。
幼すぎる女と老いかけた女は、自慰にふける。ちょっとした勇気を出せば色事欠かずに過ごせる女性としての満開の期は、
自慰することなど忘れていた。
だが老いを実感する年齢になり、女としての魅力が無くなりかけてからの私は再び自慰に没頭する期を迎えた。
思い描く異性は、やはり幼い頃と同じで“手が届きそうに無い男性”だ。
息子ほどの若い青年に抱かれる夢を見てしまう私は、まだまだ女を捨てるわけにはいかないのだ。
昨日、夫は出張で海を越え、明後日に帰宅する。
その青年は夜明け前に家にやって来た。やはり周囲の目が気になる。
到着時間を午前3時半でお願いした。今日私は久しぶりに女の悦びを味わった。
やはり男性との交わりは必要だ。
一度目は私のペースで優しさに包まれながら果てさせられた。
長い間余韻に浸っていた私を、今度は若い彼が本能むき出しで攻めて来た。
荒々しくて乱暴な彼のペースに、私はあっという間に二度目を迎え、
それは一度目よりも遥かに高揚し昇天するほどだった。
荒々しい行為に燃えたのは確かだったが、
若い彼を即座に回復させ、乱暴にさせるだけの魅力が私にも残っていると思えば思うほど燃え、
このカラダを若い男が、本能のままに貪っている様に燃え、
まるでネット画像で見かけるような刺激的な格好のあれこれを
実際にこの私が鼻息を荒くした若い男と愉しんでいるのだと、客観的に見れば見るほどに燃えたのだ。
とにかく私は、まだまだ女なのだ。