藪の中(芥川オマージュ)
夫婦のまぐわりでも未だ昇天を知らぬ外様の妻女は既に三十路となり、
世人の男との密通はどの様なものかと色めき立ち、半年も考えあぐねた末に、
昇天引き受け男なるデリバリーホストを呼んだのであったが、
さすがに既婚の身とあって、交接はつつしみ、吸陰と限局したのであった。
若男の口舌は欲情を刺激し、淫靡に痴態をむき出しにすると、
二度目三度目は更に更に、四度目五度目は此の上とも此の上とも、
六度目に若男と会う時はなんと三人を呼んでいたのであった。
しかれども昇天は未だ無く、この時こそと三人からの級陰を受けているうちに、
やっとのことその時を迎え、心身ともの高鳴りに言葉も出せぬ程であった。
外様の妻女はマゾヒストであったから、その夜は目隠しと猿ぐつわをされ、
椅子に括りつけられながら三人の持ち場が素早く交代される攻め。
次から次と攻人が変わる口舌攻めだった故、
三人の若男も誰が昇天させたのか分からず終いであった。
さて、妻女を昇天へと誘なったのは、いったいどの若男であったのか。
事が終わった後に、妻女が三人に問うたのである。
私を昇天に誘ったのは、どなたでありましたか?と。
◆妻女に問われたる若男Kの物語
さようでございます。
妻女様をイカせたのは私に違いありません。
クリトリスを舐めあげる毎に舌にコリコリと感触が伝わりました。
私はまず舌を押し付け、被せた舌を小刻みに左右に震わせながら離しました。
それを何度も繰り返していると、そこ辺りの小さな穴がパカンと開いたのでございます。
私はそれがとても可愛らしく思い、その動作を繰り返したのでございます。
その舌の感触を妻女様は覚えておられませんか?
私は音をたてながら吸いこみました。そして舌先を尖らせツンツンと刺激を与えました。
その度に妻女様は若干の痙攣をされておられました。
私は三度舐めましたが、その舌づかいの時に果てたのを覚えておられませんか?
貴女様をイカせたのは私でございます。
◆妻女に問われたる若男Nの物語
いいえ、それは違います。
妻女様を震えさせ、猿ぐつわをされた口から
唾液をダラダラと流させるほどに感じさせたのは この私に間違いありません。
ヴァギナに指を入れるとヒクヒクと指に絡まりました。
私はその絡まりを指から解きながら中に入れたまま遊ばせていました。
縛られながらも若干の動きを許された腰が何度も波を打ちました。
抜いた指からは蜜が滴り落ちるほどの濡れ具合。
受け入れを望んでいたのでございましょう。
大陰唇も左右に広がったように思えました。
それほどに私の舌と指に興奮していたのでございます。
妻女様をイカせたのは私に違いありません。
◆妻女に問われたる若男Rの物語
もしかしましたら貴女様をイカせたのは私なのかもしれません。
私は貴女様に吸陰する番を三度与えられました。
一度目は既に他の二名によって濡らされておりましたので、
蜜をすくうように大陰唇と小陰唇を舌全体で舐め上げました。
二度目に舌で触れた時には全体に熱を帯び、そろそろかな?と感じましたので、
指を入れ、優しく擦るように天井を刺激していると貴女様は一瞬呼吸を止められました。
私はその瞬間をしかと覚えており、もしや、と思ったのでございました。
三巡目の先頭の者が指を出し入れする度に腰が引けているように思いましたので、
昇天直後、敏感になりすぎていたのではありませんか?
次の者の吸陰はかなり長時間に渡り、私めに変わった時にはクリトリスが再び硬直しておりました。
貴女様にお訊きしたいのですが、クリトリスの斜め左下から舐め上げられるのがお好きではありませんか?
そのように舐め上げながら優しく擦るように指を出し入れしていたのは私でございました。
もしや妻女様は二巡目の時点で昇天されていたのではございませんか?
誰が外様の妻女を昇天させたのか――それは「藪の中」 である。
読み物としても
お話がスゴく素敵でした!
内容と、言葉使いが合っていて、イメージが膨らみました!
誰が昇天させたのだろう。。。でも、そんな事よりも彼女が昇天したことの方が大切かもね!!
| アリデッド | 2012/10/13 15:02 | URL |