入社してすぐに持たされたクライアントは流通系企業で、
デパートや物販店に限られていた。
一番若いというだけで、それらのショップの原稿やデザインを制作する毎日が始まった。
デザインは見よう見まねで手探りから始め、随分と先輩から指導を受けた。
音楽に詳しいライターが退社して間もなかったから、音楽に関わる原稿は全て書かされた。
朝一、出勤カードに記入するとすぐに取引先のデパートに入っているCDショップへ行き、
何百枚ものCDを視聴させてもらったけど、
即席に勉強しなければ書けないようなライターが書いていることを知られたくないので、
家では翌朝まで毎日毎日YouTubeを聴きまくった。
高校時代にはバンドをやっていたから、80年代~90年代の洋楽にはそこそこ詳しかったし、
系脈をおさえられるまで知識がつけば、バンドスタイルや曲調はだいたい想像ができるまでになった。
だから年齢が離れた女神様と音楽の話をしても返しには困らず、
むしろ二言三言の情報まで付け加えることができたけど、
それをやってしまうと、女神様のテリトリーを逆に荒らしてしまうような気がして、
懐かしそうに話す顔を見ながら頷いていた。
知識が豊富だといっても、やはりにわか知識。
中学や高校の果敢な時期を70年代に過ごした女神様の想い出の曲には、
ついていけない事が多かった。
解らない事は全て家に帰ってYoutubeで調べたから、今では70年代の洋楽も、
もしかすると60年代~70年代生まれの人達よりも詳しくなっているのかもしれない。
音楽好きの女神様はアラフィフで、会う度にCDに曲を入れて持ってきてくれた。
息子さんは大学生と高校生、訊くと、パソコンにあまり詳しくない女神様は、
高校正の息子さんに、曲とアーティスト名が書かれた紙を渡し、
息子さんがYoutubeからDLし、CDに落としてくれたようだ。
4度もらったCDには、毎回30曲近く収められていたから、
息子さんの手間を思うと申し訳ない気持ちになった、そして、
面倒に思いながらも母親の為に時間をさいてCD編集をする親子の良い関係を垣間見れて、
女神様を微笑ましく見つめてる僕がいた。
そんな女神様の身体を息子さんとさほど年齢が変わらない僕が貪った。
他の複数の女神様には、息子さんよりも年下の僕が悶えさせ、何度もイカせた。
「もうあんまり濡れなくなったよ」と言い、
「だから、いちゃいちゃできればいいの」と言った女性の壺を蜜でグチャグチャにしては、
何年も発していない悶え声をあげさせた。
18歳や25歳の女性とは音楽の話をしたりしながら全裸で交わる。
30歳や40歳の女性とも音楽の話をしたりしながら全裸で交わり、
45歳や55歳の女性にも、音楽の話をし、全裸で交わりお互い息づかいを荒くしながら汗をかく。
それら全ての世代の女性達には、更にもっと共通していることがあって、
濡れたい、気持ち良くなりたい、感じたい、イキたい、楽しい時間を過ごしたい。
物凄く単純な気持ちと感情が、せっかく全世代で一致しているのに、
40代になるとそれを打ち消すほどの恥ずかしさや引け目を持ってやって来る。
ねぇ。
それはなんでなの?
愉しみに来てるんでしょ?濡れながら悶えまくりたいんでしょ?
なら引け目なんて捨てて来なって。
お腹の贅肉やら、しわやらしみやら、部分的にのぞかせる白髪やら足のタコやら、
そんなものに引け目や負い目を感じてたら、感じにくくなっちゃうよ。
濡れたい感じたいというのは、私は女としてまだまだ愉しみたいということなんでしょ?
その気持ちが伝われば、贅肉や白髪なんて僕にはまったく関係なくなって、
むしろ相手の経過した時間を知りたくなって、
知れるはずないからかえってそれがミステリアスでファンタジーで。
僕はそう思います。僕はそうなんです。
今は現役のデリホスじゃないから、僕はそうでした、が正しいのかな。
当時の僕にミステリアスやファンタジーの気持ちを植えさせた一つのファクターとして、
「音楽」があったんです。
48歳の女神様が、今の僕と同じ年齢の時に流行っていた曲は、
米米CLUB、X JAPAN、ユニコーン、TUBE、BEGIN、プリンセス・プリンセス、
JUN SKY WALKER(S)、久保田利伸、バービーボーイズ、Wink、TM NETWORK、
辛島美登里、徳永英明……。
洋楽では、Madonna、Bon Jovi、New Kids On The Block、MC Hammer、
Janet Jackson、Phil Collins、George Michael、Prince……。
そんな曲を思い出した途端に、何故だか二回りも歳が離れた女神様が、
可愛らしく思えたんです。
管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
| | 2013/02/25 00:54 | |