それまでの女神様の性格は、
どちらかというと地味だった。肉食の女友達をいつも横目に羨ましがった。
自分の容姿にも自信を持てずにいた。
だから性交渉は、いつも男性から自分勝手に攻められ、
乱暴に、感じるまもなく男性が果てると背を向けられた。
いつもフェラで勃起をせがまれたが、
クンニで高ぶらされることは無かった。
ただ受け身でペニスを迎え、
痛いだけで果てる兆しも感じないセックス。
男性を感じさせることの悦びなども知るはずがなかった。
オナニーでは感じる。いける。
だから習慣になった。僕はオーダー時間の90分を全て会話に費やした。
シャワーを浴び、お互いタオル1枚まとったままベッドで向かい合って座ったり、
横に添い寝したりして、彼女のことを知り、僕の生活と過去までさらけ出した。
「僕、たぶん、他の男性の10倍は感じます。
女性みたいなカーブを描いて山に登っていくんです」それに彼女はくいついた。
「君を感じさせたい」地味で消極的だった彼女は、男を感じさせた。
自分の攻めに男が悶絶する姿をじっと見つめた。
「すごい。いい眺め。ずっと見ていたい」
彼女の攻めは、拍車がかかり、
Sを自称する女性の攻めよりも激しくなった。
僕は身をまかせ、感じまくった。
性癖でいえば極めてノーマルな彼女。
自分が男を感じさせているという事実。
自信がついた。
経験で出遅れていた自分が、他の女性と肩を並べた瞬間。
僕はもちろん彼女をいかせてあげたけど、
彼女自身、
自信を持ってくれたことが、
とにかく嬉しかった。