ああ 気になる。4時に待つ女神様が気になる。
でもこんなふうに待ってイメージしている時間って、
とってもドキドキワクワク。心の揺れ具合が微妙で大好き。
合コンでどんな人が来るのかなぁ、って気持ちあるでしょ?
なんかいいじゃないですか、あの気持ち。
ナンパしてホテルへGOする時とは違った気持ち。
受付さんが4時からの女神様の年齢を聞いています。
それがかなり若いんです。
「声は、声優さんみたいだったよ」
「アニメキャラ的な?」
「うん、そんなかんじ」
「レイヤーさんかなぁ」
「腐女子さんかもよ」
「え……」入店してまもない頃、僕はとても若い女神様の家を訪れた。
何をして良いものなのか、まったくわからなかった僕。
彼女も初めての利用で、緊張してた。
部屋を見渡すと、コミックが本棚にびっしり詰まってた。
そして衣装ケースからカラフルな衣装が顔を出し、
小さなドレッサーのまわりにはたくさんのメイク道具が置かれていた。
「レイヤーさんなの?」
「う・うん、ちょっとだけね」
会話はそれ以上は続かなかった。
気のきいたサービス一つできなかった。
反省しても反省しても、もう後悔にしかならなくて。
ただがむしゃらにクンニしただけだった。
彼女は受付にはSだと言ってたはずだった。
だから僕が家に言ったのに。
それを聞いていた僕なのに、彼女の前でM男になるのも恥ずかしかった。
S女に誘導させて、いつもの妄想の丈を僕にぶつけさせることもできなかった。
思い出せば思わず「ああぁぁぁ」と嘆いてしまう接客をしてしまった女神様が3人いる。
そのうちの1人が彼女。
いかせてあげることもできなかった、入店2日め。
もう一度会うことができたら、
彼女の妄想を全て受け止めて、更なる妄想を引き出してあげられるのに。
電話来ないかな。待ってるんだよな。