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実話小説・隣の女子寮-10

tx28

 学校が休みで、リビングでテレビを観ていたある土曜日。
携帯が登録されていないアドレスからのメール受信を告げる着信音を奏でた。
誰だろう、と思いながら、開封したメールの内容は次のような内容だった。

今、どこにいるの?
部屋に行って
いつものように
服を脱いで見せなさい。

俺は、コーラを飲み干すと、ゆっくりと階段を上がった。
俺の身体を見たくて、待っている女の子がいる。
またそんなことを思い、その気持ちに応えようとしていた。
それにしても、俺のメアド、何故わかったんだろう、それが疑問だった。
が、すぐに疑問は解決された。
春に卒業した女子バレー部の先輩からメアドを訊かれたことがあった。
その人と俺は、俺が1年の時の学園祭実行委員だった。
1年生の出し物を聞きまとめて、委員長だったその人に提出した際にメアドを聞かれた。

何の進展もなく、ただ事務的な連絡を二度三度した程度の間柄で、
今でもその先輩と関わりのある沙希さんが、おそらく何かの際にその人に言ったのだろう。

 自分の部屋に入るのも緊張した。
そこはステージでもある。
既にギャラリーが、今か今かと開演を待ち望んでいるのだ。
俺はまるで本番を前にしたピンク系のダンサーのようだった。
部屋に入ると、ゆっくりと窓を開け放ち、ベッドに座った。
鏡で確認しなくなってから、もう2週間になる。

 俺は、部屋を覗かれている被害者だったはずだ。
親切で、見せてあげているはずでもあった。
それが、見せたいという気持ちを見透かされてからは、
立場が逆転し、覗き魔達は「見てあげている」というスタンスになってしまったようだ。
でも、そんな事どちらでもいい。
俺の身体を見て、少なからず興奮している女の子がいるのなら、
この関係の、この立場のままでいい。

 D&Gのカットソーを脱ごうとした時にメールが届いた。
「早く脱いでよ」。
このプレイをいったい何と呼ぶのか。遠隔操作なんとか、リモートなんとか……。
頭では、おかしな事をするなぁと思いながらも、そこは思ったとおり、刺激反応を始め、膨らんできた。

俺はメールに返信をした。
「そちらは今何人いるんですか?」
送信ボタンを押して10秒もしないうちに、
窓の向こうから着信音が聞こえた。
これには笑え、チラッと覗き窓を見た。
「7人だよ、早く脱いでよ」。
数の多さに驚いたが、俺は、
「7人?じゃあ、もう少しだけ、窓を開けてもいいですよ、
俺、そちらを絶対に見ませんから」と返信した。

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| 小説・隣の女子寮 | 13:18 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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