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実話小説・隣の女子寮-15

tz44

 5分……、10分……。
シーンと静まりかえった室内、階段をドタドタ駆け上がる音や、
廊下を小走りする音は聞こえるが、一番奥のこの部屋までの足音は聞こえて来ない。
比較的近くにあると思われる部屋から出た女の子は、
階段を上がって来た女の子と話をしている。
「試合どうだったぁ?」
「二回戦で敗退したぁ」
「…………」
「……もう居るらしいよ」
「マジで?」
「…………」
そんな会話が聞こえてきた。主語は俺なのだろうか?
俺がここで全裸で縛られていることは寮生全員が知っているのだろうか?
二人の声が聞こえなくなって、しばらくすると、
ゆっくりと歩み寄るような足音が聞こえ、ドアの前で止まるとギーッと開いた。
その人は部屋に入ると、しばらくの間は物音をたてずに、じーっと凝視していたようだった。
そして身体の周りを回っていたかと思うと、突然「カシャッ」と音がした。
写メだ。
俺、写メを撮られてる。
思わず「写メはやめてほしいんだけど」って言った俺にその人は、
耳元で、声を変えて囁いた。
「顔は撮らないからいいじゃん」。
その人は物音をたてず、立ったまま俺の身体を見ていたように思えた。
何をされるかわからないという恐怖感が沸いてきた。
「何するの?」と訊いた俺に、その人は無言で、
耳たぶを唇でやさしく挟み、軽く引っ張った後、ペロンと舐めた。
「石鹸の臭いがするよ、お風呂入って来たんだね、えらいじゃん」。
濡れた舌先は耳たぶから移動して、耳の輪郭を一周なぞると、耳の中まで進入した。
ジクッジクッ。ベチョッ。鼓膜の間近で、日常では耳にできない艶かしい音がすると、
ザワザワと鳥肌が立ち、唇を尖らせて鼓膜まで達するぐらいの勢いで、
ふーっと息を吹きかけられた。
ザワザワを通り越して、つま先から頭のてっぺんまで、キーンと何かが一瞬のうちに通り抜けた。
「……ヤッバイ……」と呟いた俺を半身にごろんと転がし、背中から尻の辺りの写メを撮る。
様々な角度からカシャッ。両足を持ち上げてカシャッ。
シャッター音がする度に走る閃光は、黒タイツをすり抜けて、瞼の裏にまで達した。
その都度ピクンと硬直した俺に「フフフ」と笑い、
「こんなことされてうれしいの?」と、ゆっくりと囁いた。
「うん」
声になっていなかった。口を開けず、喉元だけを奮わせた。
もうここまで来ているのだ。芝居はやめよう。
素直に気持ちを晒し、彼女達を受け入れよう。

 突然、顔の左半分に冷たい物が被さった。
少し湿っているそれに力が込められ、ぐーっと左頬を押し込んで来る。
口の周りを軽く押していると思うと、唇を激しく押され、
唇が開くと、ぐぐっとソレが入って来た。
舌でその輪郭を確認し、暴かれた正体は〝足〟だった。
顔を押されていたのではなく、顔を踏まれていたのだ。
足の裏で両頬をピシャンピシャンとビンタのようなことをした。
時間にして5分ぐらいだったろうか。身体じゅうを踏まれた。

足の指を1本ずつ、歯を立てずに丁寧に丁寧に、指の間全てにも舌を差し込んで舐めた。
「足の指って舐められると気持ちいいんだね」。

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| 小説・隣の女子寮 | 00:47 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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