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実話小説・隣の女子寮-30

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――へへ、なんか大人っぽいぞ、男っぽいぞ俺、状況を楽しんでる。

でも、それは彼女にとっては不満だったのか、突然、舌での圧迫を感じると、
上下の運動も始まり、付け根は「挟む」から「握る」へと移行された。
「ん!」と声を突く俺。だが、視線を彼女から逸らさない。
口からモノを外した彼女は「感じて、思いっきり感じて」と言い、また咥えた。

俺は思いっきり感じた。
目を閉じた俺に「見ながら感じて」と彼女。
耐える。耐える。押し寄せる快感を逃がすように息を吐くが、それは悶えとなる。
何度か目を閉じる度に、「見て!」と彼女。
あ行やらハ行やらの言葉にならない声が自然と連続される。
目を閉じると、「んーー!」と咥えながら彼女が叱る。
「……ダメだ……」と限界を迎えた時も彼女は俺を見つめていた。
「……いいの?」と訊いた時にも、何も言わずに見つめ、行為を続ける。
さらに激しくベチャベチャと音をたてる。吸いながら口から離すとチュパッと音がする。
そしてまた見つめながら咥える。目が、目が笑っているように見える。

「……ダメ……イクね。……もう限界」。
その時の俺の役目は、イク瞬間の顔を彼女に見せてあげることなんだと自分に言い聞かせ、
「あーーーーーーーっ」と声を引きずりながらのフィニッシュを、二人見つめ合ったまま迎えた。

攻める時の彼女の変貌ぶりは、カラオケの時の姿からは想像もつかず、
まして、泣き佇んでいた彼女とは別人にも思えた。

力絶えて、ベッドに深く身を沈める俺のソレをキレイに拭ってくれると、またキスをしてくれた。
悪戯好きな子供のような笑みを浮かべた彼女は、俺の髪を撫でながら、
「けっこう持続できるじゃん」と、不敵とも思える笑みに変え言った。
「うん、思ったよりも頑張れた」
持続時間の自己新記録を打ち立て、自慢気に言ってみせた。
「今度は俺が攻める番だからね」
しばしのインターバルで、覇気を取り戻した俺が言うと、
「うん、私、手強いよ」と、また悪戯顔で笑って言った。

>その顔が見たかったんだって!
あんなにも色んな笑い方ができる人なのにさぁ、
あの人は忘れてしまってたんだよ。
年上の女性に惹かれたのも、Hをしたいと思ったのも事実。
でもね、俺がその日その場所で葉月さんと過ごしたかった理由はね、
こう言っちゃうと嘘くさいんだけど、マジで嘘くさいんだけど、
葉月さんの色んな笑顔が見たかったんだよね。
嘘だと思ってもらってもかまわないけど、
それが俺自身の満足なんだから、しょうがないでしょ。

その後、俺は彼女の身体じゅうを愛撫した。
攻められている最中の彼女の癖は、自分の指を咥える事。
悶絶する彼女の顔を、声を、しっかりと確認しながら、焦らしたりもした。
そして、俺が上になっての挿入もした。
二回目の持続時間も納得のいくもので、彼女から「涼汰は早くないよ」と、お褒めの言葉まで頂戴できた。
二人が、生涯忘れる事のない、秘密の行為を済ませた後、
俺は彼女の蜜に濡れたソコをきれいに拭いてあげた。
そして、まだ余韻に浸り、閉じようとしない蜜壷に「チュッ」と軽い音をさせながらキスをした。

その時に見せた彼女の笑顔が最も印象深い。
俺はそれが見たくて、今でも終わった後には必ずソコにキスをする。
「ありがとう」の気持ちを込めて。

 俺はその頃、SとかMとかの線引きが、非常に曖昧なものなのではないかと思い出していた。
そこに至るまで、ネットでSMサイトをかたっぱしからチェックし、
俺と同じ10代のM男のカキコミから、M男歴50年を自称する老紳士のカキコミまでをくまなく読み漁り、
マゾッホやサゾの本まで読破していた。

――俺はM男ではないな。それが結論だ。

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| 小説・隣の女子寮 | 13:35 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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