青い軽自動車が私の前でスピードを落とし、
ポーともプーとも聞こえるクラクションが鳴った。
車種はわからない、車にはあまり興味が無い。
それは弥生さんが運転する車。
前と後、どちらのドアを開けようかを迷っていると、
助手席を指さした弥生さん。
声のトーンを変え「ありがとう」と言い、後部座席に目をやると、
借りてきた猫のように、ちょこんと座っている本庄君がいた、
「トモさん、ひさしぶりです」と照れくさそうに笑った。
私は「あぁ…こんにちは…」と戸惑いながらも笑みを返した。
前列シートに女が2人、後列には男が1人。
車は弥生さんの家に直行している。
なんとなく超不自然な状況は、もしかしたら逆ナンて、
こんなかんじで行われるのかなぁ、なんて想像してしまった。
本庄君は連れ去られる獲物?……、漠然とそう考えてみると、
私達がやっていることは、逆ナンからの連れ去りと、
あんまり変わらないことをしている。ちょっとした罪悪感があった。
「あとで亜美も来るからね」
弥生さんがルームミラー越しに本庄君を見ながら、冗談を言う。
彼は「は……い……」と困った様子をルームミラーに映した。
そのリアクションが楽しくて、弥生さんが「ウソウソwww」と笑う。
それを聞いて彼が「今日はハードになりそうだなぁと覚悟しました」と言った。
弥生さんの家は、アパートの2階。
3人はエレベーターを使わず、弥生さん、私、本庄君の順番で階段を使った。
私の後ろから上がる本庄君、ミニスカートの下のショーツが見えているかもと、
咄嗟にスカートをももに押し当てて隠した。
……今から彼の前で全裸になろうというのに……。
生理が来そうなんだよなぁ…。
匂わないかなぁ…。
学校にいる時からずっと気になっていた。
さっき学校で彼を見ながらこれからの事を考えて濡らしてしまった。
弥生さんの家で、すぐにシャワーを借りよう。
メイクは落とすわけにはいかない。
ソコだけ、たんねんに洗おう。
弥生さんの部屋はアニマル柄で統一されていた。
「シャワー借ります」
私はそう言うと、2人をリビングに残し、服を脱いだ。
私の後に本庄君が、最後に弥生さんがシャワーを浴びた。
いきなりバスタオル1枚にはなる勇気がなかった私は
来たままの服に着直していた。
弥生さんがシャワーを浴びている間、私と彼は無言。
居心地の悪さにiPodを聴くしかなかった。
買ったばかりのピンクのnano。
教室で彼との会話中に見せたことがあったnanoを、その時は隠すようにして聴いた。
だめだめ、私はトモになりきるんだ。
弥生さんがシャワーから、バスタオルを胸に巻いてあがって来ると、
「さぁ、全部脱いで」と本庄君に言った。
無言で服を脱ぎ出した彼はトランクス姿になり、弥生さんを見た。
「全部脱いで見せて、パンツも脱いで」。
弥生さんの指示に素直に従った本庄君のモノが露わになった。
もうすでにカチンカチンのガン起ち状態になっていた。
お腹にくっつくようにそそり起っていた。
画像と動画で、何度もオカズにさせてもらったモノ。
今日はようやくその感触を確かめることができる。
私は本庄をイヤというほどいかせまくってやるんだ、そして菜摘に差をつけるんだ。
Mの私らしくいかせて欲しいだとか、
彼にやさしく攻められながら感じたいだとか、
そんな願望は無くなりかけていた。
ただ菜摘から奪いたい、菜摘よりもリードしたい、その気持ちが強かった。
弥生さんが服を着て床に体育座りをする私に微笑みかけ、
「そしたら、トモちゃんの服を脱がしてあげて」と言った。
彼が私の服を脱がし始めた。
「上は分で脱ぐからいいよ」
「うん、でも、ブラはボクに外させてください」
まさにMモード全開の彼を見ていると可愛らしくなり、
私の中のたった5%程のS心の針が振れ、
「今日のコンディションはどう?」などという似会わない言葉を発してしまった。
が、言葉が浮いてしまい、たちまち赤面になり、下を向いた。
ブラを慣れない手つきで外してくれた彼。
露わになった胸を見ようともせずに、ひざまづく姿勢になった彼は、
ニーハイに手をかけ、やさしくやさしく脱がしてくれた。
「ニーハイ脱がすの上手だね」。
恥ずかしそうに首をこくりとタテに動かした。
そしてショーツに手がかかり、
スーッと脚に沿って床近くまで下ろすと、
やさしくふくらはぎを交互に持ち上げて、脱がしてくれた。
ショーツを手の中で丁寧に丸めてソファーの上に置いた。
とうとう私は本庄君に全裸を晒した。
本庄君が私を全裸にした。
この全裸の男子は、まぎれもなく本庄君だ。
全裸になってしまっても恥ずかしさは少しも無い。
何故なら私はトモだから。
トモって子は、ものおうじしない積極的でダイタンな女の子なのだから。