「今日ね、近所の人に訊かれたの。
もしも寿命の1年と引き換えに何かができるとしたら、何をやる?って」
瑞穂さんは僕に脚をマッサージさせながらそう言った。
僕は持ち上げた足と、枕から頭をもたげる瑞穂さんの顔の両方を遠近法で捕らえながら言った。
「何て答えたの?」
「男になってみたい」
「ベタっすね。男って例えば誰?」
もたげた頭をもう一度枕に沈めて、
「誰にしようかなぁ、やっぱりイケメンの芸能人じゃない?」
「やっぱりイケメンですか」
「そりゃそうでしょ」
「瑞穂さんだったら大富豪って言った方がイメージぴったりかも」
「1日だけでしょ?きっと何したらいいかわかんないよ」
まるで夢を見る少女のように語るその女性の日常は、
「家と職場を刺激も無く毎日往復するアラサー女性」
とは彼女と僕が初めて会った時の自己紹介だ。
「涼汰は?涼汰は何をしたい?」
「僕は瑞穂さんになってみたいです」
「あたし?寿命の1年を何であたしなの?」
「瑞穂さんほどカラダの反応が良い女性を他に知らないから、
あんなに悶えるほどの感覚って、すっごく知ってみたいです」
「あっそういうこと」
「瑞穂さんは幸せ者っすよ、顔面騎乗だけであんなに感じることができるんだもん、
世の中には不感症に悩む女性もいるというのに」
「幸せとか大袈裟・笑・気持ち良がって悶えてるだけなのに・笑」
「それってすっごく大切じゃないですか、有り難く思わなきゃ」
「そう思うようにする、でもどんな男にも感じてるわけじゃないんだからね」
これから先を書くと男女問わず読者様に殴られそうなのでやめます。
おはようございます(^_^)/
途中で止められると気になります…ワラ
そんな敵にまわすようなこと…
てなんだろうと。
でも気持ちよく悶えるのも、誰にでもでないのはわかる気がします。
やっぱり好きな人でココロ許せる人が一番かな…て。
| れいな | 2012/10/12 03:36 | URL |