結婚は23歳。
30歳になった途端に旦那さんとはセックスレスになってしまった菜摘(仮)さん。
この10年間、誰とも、何もしなかったようです。
旦那さんの容姿もこの10年間で急激に変わり、
考え方のズレや遠のいてしまった優しさ、
そして、日々浴びせられる心無い言葉の数々も手伝って、
旦那さんに抱かれたいと思う気持ちは、とっくのとうに消え失せてしまい、
独りの行為をただただ毎日繰り返していたようでした。
菜摘さんが僕の女神様になったのは、
僕が復帰した5月中旬のこと。
ちょうど彼女も40歳になったばかりで、
「刺激が欲しい」と言っていたのを覚えています。
あれから一ヵ月が経って、菜摘さんは僕を含め3人の男性と会っていました。
そして昨日。
菜摘さんは僕ともう一人の男性を呼び、憧れていた初の3Pを経験しました。
23時から0時までは3P。
0時に先輩を帰して僕と2人で2時まで。
『10年間、誰とも関係しなかったのに、この1ヵ月で3人も、それもみんな若い男の子』そう言った菜摘さんは、嬉しそうにも、自分に呆れているようにも見えた。
「月1回ぐらいがいいかもね、興奮度もその方が高まるんじゃないですか?」と僕。
裕福で生活に余裕のある女性だけが遊んでいるわけじゃない。
夜の空いた時間にアルバイトでもしなくちゃ……、
そんな生活を送っている女神様もたくさんいる。
夜といっても接客とは限らず、様々な仕事がある。
深夜から朝方までなら、閉店後の焼肉屋さんで網を洗う仕事や、
ビルの清掃、インターネットの統計整理の仕事だって深夜に行われる。
僕らを利用する女性達は、お金に余裕があるから利用するのではなく、
時間に余裕があり外出する口実がある、
そんな自分の時間を作れる人が利用しているのかもしれない。
もちろん、自分の為だけに使えるお金を持てる必要はあるけど、
菜摘さんのように、刺激が欲しいという気持ちから外で仕事を始めて、
わずかながら自由に使える秘密のお金と時間ができると、
いけないことを考えだしてしまい、
一気に行動までつき進んでしまうケースは少なくない。
菜摘さん『3Pってもっと いいものかと思ってた、ずっと憧れてたんだけど』
「でしょ?憧れていたのなら一回経験しておくだけでいいかもね」と僕。
『3Pって男性はどうなの?』
僕らはなんだかわからない義務感を感じる、その分 相手への感情が薄れてしまうのかも。
役目や順番を考えると、流れ作業になってしまうから僕はあまり好きじゃない。
この立場になる前には女性2人との3Pは経験あったけど、
男性が2人の3Pは経験が無い。
おそらく恥ずかしさが先に来て、本能なんて剥きだしにはできないはず。
その分、やっぱり相手への感情が薄れる結果となってしまいそう。
僕は珍しく次回指名のお願いをした。
自分からお願いするのはこの世界に足を踏み入れてから初めてのことだった。
「ねぇ菜摘さん、一ヵ月後に僕を指名して欲しい、
サプライズを準備するから、絶対に僕を呼んでください。
それまでは誰も呼ばないでね、
菜摘さんの次のHは一ヵ月後の僕とだよ」
色んな意味を込めてそう言った。
そこに込められた気持ちを理解してくれた菜摘さん、
『頭とカラダを冷やしておくね』
思わず僕は「ごめんなさい」。
偉そうに彼女を心配している身の程知らずの自分が恥ずかしくなった。