しばしの沈黙、ゆっくりと静かに時間が流れていたけど、
俺のソレだけはドクンドクンと、場を壊すリズムを刻んでいた。
「ウチじゃダメ?」
「何が?」
「初体験さぁ、ウチじゃダメ?」
「それって、俺に早く経験しとけ、ってこと?」
「それもあるよ、でもウチ……君と……したいの」
君としたいの、と言われては、もうどうにもならなかった。
いつもの感情が俺を強襲した。その人の為になりたい。
「逆に訊くけど、俺でいいの?」
「いいよ。ウチさぁ、君の初めての女になりたいの」
「…………ありがとう」
「……ねぇ、コレすごいよ、コレってマックスじゃない?」
「どうだろう、まだまだかなぁ」
俺はそう言うとソコに力を注ぎ入れ、瞬間的に更に硬固なモノにすると、
その人はギュッと握り直し「スゴイ」と言ってくれた。
彼女は起き上がると、なにやらゴソゴソと物音をたてた。
「あった」
「ゴム?」
「うん」
「いつも持ち歩いてるの?」
「うん」
慣れた手つきでゴムを装着させると、また舐めだした。
そして再び俺の顔を跨ぐと、口にソコを近づけて言った。
「ツバいっぱい出して舐めて、いっぱい濡らして」
俺は従った。蜜壷に注ぎ込んだ唾液は蜜を誘い、大量に口へと戻って来る。
その人も俺のモノを口に入れたまま、唾液をたっぷりつけていた。
吸ったり、上下させたりはしない。
口の中で泳がせるといった表現が正しいか。
その人は69から姿勢を戻すと、
「挿れるよ、いい?」と確認した。
「秒読み、必要?」と俺がふざけた。
「あはは、じゃあ10からやってみて」
「うん、10・9・8・7・6・5・4」
カウントはそこで終わったが、残りの三つは、その人と俺との心の中で刻まれた。
彼女はゆっくりと腰を振ってくれた。
俺の両胸に指と爪を軽く這わせた。
すぐに我慢できなくなった、さすが俺だ、泣けてくる。
「ヤバイ…………」と思わず声を突いた。
腰の動きを止めたその人は、
「がまんだよ」
波が去るまで俺はソコから神経をずらし、下半身から力を抜いた。
「おさまったよ、我慢できた」と言うと、
その人はソコに力を入れ、キューッと締め付けた。
それだけでもイキそうだった。
腰を動かさずに締め付けたり緩めたり、
静かな部屋の中で、締めた時には「うっ」、緩めた時には「ふっ」と、
俺の吐息混じりの微かな声だけが宙に浮いては消えた。
「イキたい?」と訊かれた。
「うん」と返事した。
「じゃあいっちゃう?」
「でも、こういうのは一緒にイクのがいいんじゃないの?」
「それ、できるの?」
「ごめん、無理かも」
その人は再びゆっくりと腰を動かしだした。
「イキソ」と俺が言うと、その人はすぐに抜き、ゴムまで外すと、
口へと入れ、手でしごきだした。
素晴らしくスムーズな流れだった、俺はまもなく口の中で発射した。
「ごめんね、ごめんね、口の中でしょ?」
「いいよ、気にしないで」