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実話小説・隣の女子寮-43

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 覗き魔達に視姦されてから二度目のクリスマスを迎えようとしていた。。
当時の日記を紐解くと、イヴの前日は男友達5人で午前11時からカラオケに行き、
午後にはラウンドワンでボーリングをしている。
その後、ビリヤードコーナーで、同じHRの里佳子と瑞穂を含む女子5人と合流し、
総勢10人で駅前のファッションビルへと流れている。

――思い出した!。俺、その日、女子から告られたんだっけ。

隣のHRの女子だった。どこの部にも所属しておらず、
1年の時に仲の良い男友達が告ってふられた女子だ。
イヴを二人で過ごしたいと言われたが、片思いの女子がいることを理由に断った。
俺は太腿に二つのホクロを持つ女子を探し続けていたが、探し出せる気がしなかった。
イヴはやっぱり女の子と過ごしたいと思った俺は、終業式の日に瑞穂を誘っていた。
可愛いくて人気のある瑞穂に2年間も彼氏がいないのが不思議でならなかったが、
「いいよ、イヴは涼汰と過ごす」と快く頷いてくれた。
二人とも年が明けて3週間もすれば、センター試験が待っていて、
それを突破すればすぐに志望校の受験がある。
そんな大切な時期に恋人をつくる気はなかったが、高校時代の小さいラブな思い出として、
瑞穂とイヴを過ごしたかった。

恋人ができるまでは女子寮の住人と関わっているつもりだったが、
年下の女子達の言いなりになる自分を戒めだしていて、
ロンリープレイを披露した後の嫌悪感たるや、パンツを穿く力も失せるほどだった。
「もうやらない」と心に誓っても、<今から窓開けて脱いでよ>という短文メールや、
非通知の直電で「目隠しで窓に立ってね、今日は3人だよ」と言われると、
誓ったことすら忘れてしまい、血流が股間へと注がれ、何度も同じ過ちを繰り返してしまった。

寮生から送られるメールの全てが、それを目的とした内容ではない。
<何してるの?いまHEY HEY HEYをみんなで観てるよ>とか、
<EXILEのDVDあるけど観る?>といったメールも届いて、
スナック菓子やMDに録音してくれた新譜などが、こちらの窓に投げ込まれた。

イヴの朝に寮生から、
<今日は予定あるの?>とメールが届き、
≪デートだよ、だから今日は窓を開けられない≫と返した。
<そっかぁ、わかったぁ、今日は寮生達でクリパやるよ>
≪楽しそうじゃん、酒飲むの?≫
<飲むに決まってんじゃん>

寮の管理人は50歳前後の女性で、毎日朝夕の食事も作っていたが、
夏休みや冬休みになると不在となった。
寮生の殆どが県外に実家があり、休みに入り次第帰省する者が多かったが、
冬休みは、恒例の寮生によるクリパを終えてから帰省した。

イヴの朝に瑞穂からメールが届いた。
<今日用事が入っちゃって昼に行けなくなっちゃった、夜の8時からにして欲しいんだけど>
≪了解!じゃあ8時にどこで待ち合わせする?≫
<また後で連絡するから、待っててくれる?ごめんね>
≪わかったよ、メール待ってるね≫

その日、両親は県外に住む兄貴の所へ行っており、戻りは二日後の夜だった。

時間潰しをどうしよう。
男友達を誘うのは、なんだか恥ずかしいしダサい。
瑞穂と仲の良い里佳子に電話するのも気がひける。
昨日ふってしまった女子へのメールなんてとんでもない。
この1年、両手両足の指の数以上の異性と関係を持ったというのに、
こんな時に連絡できる異性がいない。

――寂しかった。

つづく

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| 小説・隣の女子寮 | 10:49 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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