昼にパスタを作って独りで食べた。
鍋、フライパン、食器を洗ったついでにシンクまで磨いた。
読みかけの本をめくった。
1時間で読み終えた。
おもむろに部屋の掃除を始めた。
冬物の衣類をベッドの上に広げ、コーディネートを始めた。
気がつくと洗濯機まで回していた。
そんなこんなで時間を潰しても、まだ4時。
そうだ、部屋の模様替えをしよう!と思いたっても、
一番大きなベッドの位置は変えられない。
――彼女達にとっても、俺にとっても、ここがベストポジション。
模様替えをあきらめた俺はベッドにあぐらをかいて窓をボーッと見た。
閉ざされた窓はスクリーンとなり、そこに映るのは向こう側の窓の様子。
わずかな隙間が開いた窓から、だんだん広く開いていった窓。
1人の影、3~4人の影、7人の影、そして月明かりに照らされた全裸の女体。
あの子、ダイタンだよな、何年生かわからないけど。
俺は充電ホルダーから携帯を外すとメールを打ち出した。
≪もうクリパ始まったの?≫
<3時から始まってるよ、楽しいよ>
≪飲んでるの?≫
<もう酔ってるし>
相手は、顔をレースで隠した白い女体の主。
ダイタンに股を広げて腰を振るその人の姿を思い出すと下半身が熱くなった。
≪俺、今さ、君の裸を思い出してた≫
<あれ?今日はデートって聞いたよ>
≪うん、そのはずだったけど、夜になっちゃった≫
<そうなんだぁ、いまエッチな気持ちなの?>
≪うん、かなり≫
<あっ、そうそう、ウチの友達が涼汰先輩を試してみたい、って>
≪試す?試されるの?何を?≫
<Hに決まってるじゃん、その子マジヤバイぐらい経験豊富だから(笑)>
≪君って2年生だったよね?友達も2年?寮生じゃないの?≫
<うん2年、寮じゃないよ、家住み、2人ともカワイイよマジで>
≪2人なの?同じHRの子?≫
<そうだよ、腐女子の子とバンギャの子、めっさハゲシスだから(笑)>
≪そ・そうなんだ、今は返事しないどく、返事は考えてからまた後で≫
<ダメ、絶対会ってもらうからね>
≪カラオケ行こうよ、そうしよう、でもなんとなく興奮してきた≫
<今、独りでやったらダメだよ、やるなら後で見せてくんなきゃ>
≪今日、彼女を襲っちゃおうかな、やりたくてさ、かなり≫
<どこで?部屋で?>
≪うん。ここで≫
そこでメールのラリーが途切れた。
まもなくすると、瑞穂からのメールが届いた。
<涼汰の家に8時前に行くね、ケーキ持っていくからね>
≪うん。待ってるね≫
その次にメールの着信音を鳴らしたのは寮生で、
いつも2人で見ている女子。2年生かな?3年生かな?。
3年生だとしたら、おそらく俺とは挿入までの関係があるはずだ。
<見たーーーい、見せてーーー!>
≪今ダメだよ、彼女が来るから≫
<だめーーーっ!見たいのーーーっ!>
かなり酔っている。
違うメアドの数人からも来る<見せてーー!>
<ウチら酔っぱらってメッサエローーーーくなってるし>
<お願いしまーす>
<もう濡れてきてるんだから!>
これが俺に火をつけた。
≪いいよ、でも発射はしないから。俺今日は彼女とやるんだから、彼女を襲うんだから≫
<目隠しして!、ギャラリーいっぱいいるから>
俺は窓を開け、ベッドに座ると服を脱ぎパンツ1枚になり、目隠しをした。
女子寮の窓がガラガラと音を立てて全開するのがわかった。
非通知であることを知らせる呼び出し音が鳴り、指でOPENボタンをさぐって押し、電話に出た。
「もしもし~涼汰ク~ン?」
『かなり酔ってるみたいだね』
「は~い、酔ってま~す」
『何年生、電話、初めてだよね』
「秘密~、今からそっち行くから~」
『今から?ダメだよ、来たらダメ!』
「もう玄関前だよ~」
つづく