里佳子は喘ぎながら、俺のモノを深いところまで受け入れ、
俺は里佳子が最高の果て方ができるよう、里佳子のリズムに合わせて腰を突き上げる。
「涼汰、ステキだよ」彼女が先に口を開いた。
「里佳子、キレイだよ」
彼女が再び唇を重ねる。俺から彼女の舌に吸いついた。艶かしい音がした。
唇が離れると、彼女が言った。
「見て、あたしの顔をちゃんと見て」
鼻がくっつきそうな距離で二人は見つめ合い、
「あたしの顔を見ながらイッて!」
「うん、うん」
「あー!もっとしっかり見て!あー!」
「うん、見てるよ」
「もっと、アタシの目を見ながらイクんだよ、あー!」
「うん」
「涼汰、気持ちいいい?」
「うん」
「誰よりも、アタシが一番気持ちいい?」
「う……、う……、うん」
「あーーー!んーーー!イクよ涼汰ーーー!」
「うん!」
「涼汰、好きっ!涼汰、大好きーーーっ!」
「……う、うん」
里佳子は俺を見つめながら果て、
俺は彼女に遅れること三突きで果てた。
二人は裸のまま、ベッドでまどろんだ。
腕枕はしなかった。
俺が腕を回そうとした時に、彼女が避けるように一瞬背中を向けた。
手も繋がなかった。
腕や脚は触れ合っているが、二人の間にできたわずかな隙間は、友達と呼ぶには近すぎて、
恋人になんてなれるはずのない距離を物語っていた。
彼女が果てる瞬間に、つい口にしてしまった〝好き〟の理由を訊き返すのは野暮な事で、
1年半前の布団部屋で、既に関係を持っていた事には、決して触れてはいけないと、飲み込んだ。
「何時になった?」
里佳子がけだるそうに訊くと、俺はベッドを離れ、携帯を探しだした。
ベッドの下に開いたまま落ちていた携帯を拾うと、
瑞穂からのメール画面がそのままになっていた。
「あっ、メールしなきゃ」
「誰に?」
「……親にだよ」
「じゃあ、あたしそろそろ帰るね」
彼女がショーツを穿こうとしたのを
「ちょっと待って」と静止させ、俺は里佳子の乾いてしまった蜜壷にチュッとキスをした。
ついさっきまであれほど激しく悶えた里佳子だったが、それをした途端に、
頬を赤らめ、しばし俺を見つめると、
「後でメールする」と目を背けずに言った。