その夜、弥生さんからメールが届いた。
「シホちゃん、亜美の友達の弥生だよ、ありがとーね」
「どうもはじめまして、本庄君はどうでしたか?」
「良かったよ、いろいろやらせたよ、楽しかったよ」
「いろいろって何したんですか?w」
「O/N/Aさせたり、アソコしばったりwww」
「すごいですねーwww」と、とりあえず返してメールのやりとりは終わったが、
弥生さんが本庄君に“O/N/Aさせた”という事実が、
頭から離れなくなってしまった。
私の妄想の中では既に何度も、
私の目の前に座った本庄君がO/N/Aをして見せてくれていた。
ほぼそれと同じ行為を弥生さんが本庄君に実際にやったということが、
衝撃的で、ちょっとだけ悔しい思いがした。
私が会わせてあげたんだから……、と嫉妬にも近い感情。
おそらく2人の女性とも、それぞれに直アドの交換は済ませているだろうし、
セ/フ/レの関係が継続すると、私の存在の必要が無になってしまう。
私はそれを恐れて二人に、
「会う時だけは私に教えてくれませんか?」とメールした。
二人とも快く、「いいよー」との返事してくれた。
私はそれによって本庄君がだんだん汚れていく様を
手に取るように見届けることが可能になったのだ。
亜美さんは本当にHが好きな人だった。
3日に1度はガストで待ち合わせをして、
亜美さんの家に本庄君を招きいれた。
弥生さんは週に1度、土曜日と決まっていた。
3ヶ月が過ぎると、亜美さんは本庄君を飽きだした。
3日に1度だったものが、5日に1度になり、週1、月2となった。
弥生さんの毎週土曜日というペースは守られていた。
私も、なんとなくつまらなくなっていて、
3ヶ月前のあの精神的な刺激を味わってしまってから、
2日に1度の一人プレイもなんだか味気ないものになっていて、
妄想のネタも、本庄君を上回るものを見つけられずにいた。
そんなある時、亜美さんからメールが来た。
「体育部系の汗臭い童○君いない?」
退屈に占拠されていた私は新しい刺激を見つけた。
「います!野球部じゃダメですか?」とすぐに返すと、
「高校球児サイコーじゃーん、どんなコ?」
野球部の中垣君は同じクラスで、けっして池様の部類には入らない。
でも笑顔がとても可愛いくて、人なつっこくてギャグセンも高い。
そしてかなりの毒も吐く。
そんなところが好きで、彼とは普通に日常的に会話をする関係にあった。
「やらせろよ、俺は経験がないから教えてくれよ!」と彼は明るく言う。
「昨日も2回ひとりでやっちまった」と女子にあからさまに言っても、
嫌われるキャラではなかった。