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小説・何も見せない-13

nm43

優花さんが指を出し入れした。
男子に見られていると思うと、なおのこと興奮した。

弥生さんが「本庄君見える?」と聞くと、
「はい、見えます」と彼が言った。
そして「スゴイです、トモさんスゴイです」と声を震わせ言い加えた。
彼のその反応だけでも、じゅうぶんすぎるほどの“萌え声”だった。

亜美さんが手の動きを早めたようだ。
私は後ろを向いて見えなかったけど本庄君のよがり声のトーンで感じとれた。
そして「いきます、いきそーです」という弱音が耳に入った。
亜美さん「ダメ!」
弥生さん「我慢して!」。
かろうじて我慢した本庄君。
私は彼のことよりも、自分のことでいっぱいいっぱい。
腰が勝手にクネクネ動いてしまい、それを一度リセットした本庄君が見ていた。

「舐めてみる?」と聞こえた。
「え?誰が誰のを?」背後で行われている会話の主語がわからない。

優花さんが私の身体を抱え、テーブルに押し出すと、まもなく、
濡れ濡れのソコめがけて、ズン!と突進して来るものがあった。
ビックリして、突き出していたお尻をひっこめて振り返った私。
そこにあったのは本庄君の顔だった。
舐める人は本庄君で、舐められる人は私。主語がはっきりした。

亜美さんにモノを刺激され続けながら、弥生さんが彼の頭を押して私のお尻に押し付けた。
状況を確認できた私は、一瞬、恥ずかしそうに戸惑うふりを見せた。
が、本庄君の顔にお尻を突き出した。
舌が触れた。
お尻の穴に。
「え?なんでソコ?」。

「ソコお尻の穴じゃんw」と弥生さん。
亜美さんも優花さんも笑った。
私もつられて笑った。

「角度が……」と彼が言ったところで、「ああああ」に変わった。
本庄君は我慢できず、いってしまった。

亜美さんと弥生さんが後始末に動き出した。

私のテンションはすっかり下がってしまい、
ショーツを穿くとトイレへ行き、ビデで洗った。
部屋に戻ると、延長した1時間もそろそろ経過した時間。
「帰ろうか」と亜美さんが言うと「そうだね」とみんなが後に続いた。
主役の本庄君は制服を着直していたけど、
目がうつろのように見えた。
目覚めた直後に、見た夢を思い出しているような、そんな状態だった。

夢じゃなかったんだよ本庄君。
私は君がクラスメイトには絶対に知られたくない、
君の秘密をしっかり見せてもらったよ。
そして君はクラスメイトの私のことも見たし、
キミのその舌はね………。
とにかく今までの1時間は、夢なんかじゃないんだからね。

心の中で彼にそう言い聞かせた私。
なんとなく二人には上下関係のようなものができてしまった。
もちろん私が上、彼が下。

家に返り、私はシホとして本庄君にメールした。
「今日はどんな日だったの?」
返事はすぐに届いた。
「忘れられない日でした」。
「へぇ、そうだったんだぁ、良かったねぇ」とだけメールを送った。

何が忘れられないのかを聞こうとしなかったのは、
私に新しい目的ができたから。

つづく

nm41 nm42

| 小説・何も見せない | 12:27 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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