彼氏とは2ヵ月前に別れた。
別れの日となった前日には、物足りなかったけれど1時間ほど愛し合った。
彼は自分勝手に10分間挿入し、
あとの50分は全身を舐めさせ、力無いモノを咥えさせた。
その最中に嫌気がさした。
彼とつきあって1年、BARでナンパされたことがきっかけで、
アラサーの私は将来を夢見たわけではないけれど、
仕事のストレスを一瞬忘れさせてくれた彼に心を許した。
彼に対する不満を言えばキリが無かったけれど、私はそれを口にしなかった。
でも彼は私への不満をことごとく口にした。
終止符を打とうか悩みだしてからは、彼との会話にもストレスを感じ出していた。
そんな心持ちで身体を重ねても満足できるはずがない。
心と身体は別なものだと、それまでの経験で解っていたけれど、
私のことを少しも考えず、会う度に自分勝手な行為をさせられては、
果てようと思える隙間すら見つけられないまま1年が過ぎた。
私は生身での交渉で果てたことが無い。
挿入はもちろん、指やクンニでも天辺を知らないままアラサーを迎えた。
自慰は2日に1度、寝る前に電マで刺激し果てていたが、
やっぱり不器用でも男の指に触られたい。
果てることが無くても男の舌で高ぶり、最後には挿入で燃えあがりたい。
果てることなくても、ある程度上昇した一定のところで維持させてくれれば満足できる。
この2ヵ月は電マの毎日。
そろそろ生身の男の身体に触れ、触れられたいと思いだした3日前。
私は取引先の女性社長と飲んでいる時に、ある男の話しを聞かされ、
その男に興味を持った。
男は2時間前に私の家のチャイムを押し、私は家着のまま迎え入れた。
小柄で華奢に見えるが、全裸になるとなかなかの筋肉質。
私と同い年、丸坊主で童顔の男は聞いていた年齢よりもはるかに下に見えた。
男は部屋に入るなり服を脱ぎ出すと、
「僕に優子さんの身体を洗わせてください」と言った。
私は躊躇なく男に身体を洗わせた。
「今日から3日間、なんでもしますから、宜しくお願いします」。
男は手に泡をたくさん乗せ、私の胸を丁寧に洗いながらそう言った。
「僕は裸で部屋にいます。3日間はどこにも行きません。
優子さんがマッサージして欲しくなったら全裸でうつ伏せに寝てください。
何も言わなくていいです、うつ伏せがサインです。
ソファーでもベッドでも、カーペットの上でもかまいません、お好きな場所で。
そして優子さんがHしたくなったら、その時は全裸になって仰向けで寝てください。
何も言わなくていいですから。
そのサインを見たら僕は優子さんの身体を舐め始めますから」。
男は足を丁寧に優しく洗いながら、そう説明した。
男は洗面所で手を洗っているようだ。
私は今、全裸のまま、ベッドで仰向けに寝ている。