2年前は 月に2度会ってくれて いつも笑っていた人。
1年半前に 恋人ができて会ってくれなくなった人。
1年前に 恋人と別れて 自分を責めていた人。
半年前に 恋人ができて 笑顔を取り戻した人。
昨日 恋人と別れて ふさぎ込んでいた人。
交際してすぐに夢を描いた。
自分にはもったいない相手だった。
不自由の無い暮らし
同性から羨ましがられると思った。
夢を実現さえすれば その後はうまくやっていける自信があった。
だから彼女は 彼氏にもっと気に入られようと 文句も言わずに従った。
半年間 本来の自分を消したが
半年後 彼女から別れを口にした。
昨日は何度も「疲れた」と言ったが、
今回は自分を責めてはいなかった。
「結婚したら 浮気しようとしてたでしょ?」と僕が訊く。
つくり笑いをを浮かべながら黙った彼女。
僕は そんなことしか訊けない。
そこまでしか言えず そこから先には立ち入れない。
それが僕の立ち位置だ。
恋人と別れてすぐに 彼女はそんな男と会ってくれる。
彼女は「疲れた」を何度口にしただろう。
涙を流したのは何度目の「疲れた」の後だっただろう。
そして今回も結局 自分を責めた。
――自分を消さなきゃ良かったのにね
――最初からありのままを見せたら きっと結ばれたはずなのにね
僕が言いたかった事はそれだけ。
僕に見せる彼女のありのままは、とても素敵だから。
そして僕は
涙が零れた目元に 半年ぶりのキスをした。
僕は彼女のカラダを憶えている。
彼女が感じやすいところを感じるように愛撫して、
ありのままの姿をさらけ出させた。
こんなことでしか癒してあげられなくてごめん。
恋愛を語れない僕だけど、
僕だって恋愛がしたいんだ。
人だから
お互いをさらけ出しての純粋な恋愛がしたい。
無理をして恋愛 偽って結婚なんてしたくないんだ。
Human / Christina Perri